気分転換に出かけたり、たまには、友人と会ったり、ひたすら眠ったりといろいろですが、介護から少し離れることで、身体を休め、気持ちもリセットしていくことは、必要です。
- 一人で抱え込まない
- 親族でローテーションを組む
- 訪問介護ヘルパーを頼む
- デイケア、デイサービスを利用する
- ショート(ロング)ステイを利用する
- ロングステイで対応する場合もある
- さまざまなサービスを組み合わせて共に生きるプランを探す
一人で抱え込まない
介護者が休息をとる時間を、介護生活の中に意識して組み入れることは、介護者にとっても要介護者にとっても大切です。在宅介護の場合は、介護者が倒れてしまったら、要介護者の生活も、成り立たなくなってしまうからです。入院をしていたり、老人ホームなどに入居していても、支える人は必要です。
また、ダブルケアの場合は、子どもたちのためにも、介護者が倒れるようなことがあってはならないのです。
そのためには、一人で介護を抱え込まないことです。
親族でローテーションを組む
親族で上手くローテーションを組むことができれば組み、それぞれが任された時間の役割を果たすことが、お互いの休息時間を確保することにつながるでしょう。
このとき、予定変更やドタキャンをできるだけしないことが、上手くいくコツです。何度もすると、お互いの信頼感も崩れてしまいがちになります。
ダブルケアの場合は、介護者全員がダブルケア状態で、要介護者を支えていることもあります。それぞれの家庭が時間的に余裕のない状態ですから、予定が狂うことが重なると、ひいては、休息をとる時間がなくなってしまうことにつながります。
意外と、引き受けるボリュームが少ないと、「一日や二日くらい、どうってことないでしょう」と思いがちになるもの。でも、主たる介護者にとっては、その二日間が、貴重な休息の時間です。引き受けたからには、お互い、約束を守ることが大切だと思います。
連絡ノートを作っておき、ケアの内容や、気になったこと、思ったことなどメモしておき、介護者どうしで情報を共有することも、上手くいくコツの一つだと思います。
これは、要介護者の状態が急に変わったときなど、医療機関に説明するときにも役立ちます。
訪問介護ヘルパーを頼む
来てもらえる時間は、長くて1時間半と短いですが、食事、掃除、洗濯、入浴(清拭)、投薬、デイケアやデイサービス、ショートステイの準備や帰宅待ちなど、細々したことをお願いできます。
生活介護と身体介護に分かれていて、それぞれ、サービスの内容が決まっています。たとえば、要介護者が一人暮らしなら、両方を組み合わせて介護プランを立てる必要があるでしょう。
家族と同居の場合は、食事、洗濯、掃除などは本人のもの、スペースだけという制限はありますが、たとえば、朝食を食べさせて、清拭をしてもらうだけでも、ずいぶん助かります。
家のお風呂に入るのが難しいときは、訪問入浴専門のサービスもあります。
デイケア、デイサービスを利用する
要介護度や心身の状態によって違いますが、できれば、リハビリ中心のデイケアサービスと、ゆったり過ごすデイサービスを組み合わせで入れると、効果的だと思います。
プランによって違いますが、だいたい、6時間から9時間程度お願いできます。
デイケアやデイサービスによって、用意ができていれば、玄関から玄関ではなく、ベットからベットで対応してくれるところもあります。また、出掛ける時の用意や、帰ってきた時の受け入れをヘルパーさんに頼むこともできます。すると、デイケアやデイサービスの利用時間の前後1時間ほど、使える時間ができます。
特に、送り出すことをヘルパーさんに頼むと、要介護者の気持ちがおっくうになりがちなときも、上手に気分を外出に向けてくださることもあり、たいへん助かります。
ダブルケアの場合は、朝の支度時間が子どもの朝食やお弁当を作る時間と重なることも多いです。送り出しをヘルパーさんに頼み、着替えや朝食を食べることを見てもらうと助かることも多いです。
また、デイサービスによっては、料金はかかりますが、少し、時間延長や宿泊をお願いできるところもあります。
ショート(ロング)ステイを利用する
デイケアやデイサービスを利用しても、出かける前後は、ケアが必要です。一日中、ケアから離れる日を作ることも必要です。
また、これは、介護者がどうしても一日中外出しなければならないときのために、定期的に利用して、いざというときにお願いできる場所としてつないでおくという必要もあります。
ダブルケアの場合は、たまには、子どもたちと旅行に行ったりする時間もとってよいと思います。要介護者にショートステイに行ってもらって旅行するということに、遠慮を感じる方も多いかもしれませんが、子どもにとっては、大切な機会です。
我が家も、子どもたちの部活動などの都合もあり、そうこうしているうちに、かれこれ、10年ほど旅行には行っていません。子どもが大きくなるほど、皆のスケジュールも合いにくくなってきますので、できることなら時間をとるといいと思います。
ショートステイを利用する場合、丸一日、ケアから離れる日を作るためには、最低、二泊三日必要です。出かける日と帰宅日は、ケアが必要になるからです。三泊四日してもらって、二日の休みです。
ショートステイの場合は、お迎えが10時から12時、送りは、2時から4時といった場合もあります。そうなると、十分休みがとれるほど時間はありません。ただ、介護プラン上は、一泊二日で2回利用とカウントしますので、例えば毎週一泊二日利用したとすると、書類上は、4週で8回利用したことになり、ずいぶん多く見えます。でも、実質は、このプランでは、介護者が介護を休む日はないのです。毎週二泊三日のプランを入れてはじめて、一日中介護を休む日が週1回できます。
このように、定期的に休む日を入れることは、要介護者にとっても、介護者家族にとっても、生活や気持ちのリズムが作りやすく、メリットは大きいと思います。
仕事が忙しいときや、旅行にいくときなどは、1週間以上まとめてショートステイを組み入れることが必要なときもあると思います。また、細切れのショートステイでは解消しきれない疲れを取るために、必要なこともあります。
現在は、ショートステイの場合、1か月のうちの半分、年間の半分までを目安にプランが組まれるようですので、デイケアやデイサービスとの組み合わせで、生活にあったプランを組んでいくと、1日1日がつながっていきます。
ロングステイで対応する場合もある
仕事が忙しいときや介護者家族が体調を崩したときは、ロングステイの利用もあります。
ダブルケアの場合は、子どもの受験があったり、夏休みなど、子どもが家にいる時間が長くなったりするときもあります。このようなとき、必要なら、連続30日を限度とした、ロングステイを利用することもできます。
ただ、家での介護と内容が変わるため、帰宅したとき、要介護者の様子がずいぶんと変わってしまっている可能性もあります。我が家では、ロングステイを利用したことはないのですが、家族の状況に応じて、利用することも選択肢の一つです。
さまざまなサービスを組み合わせて共に生きるプランを探す
介護者の休息がとれるプランは、ケアマネージャーに家族の状況をよく説明して、さまざまなサービスを組み合わせて作っていくとよいです。
はじめからなかなかうまくはいきませんが、その都度プランを修正しながら進んでいくうちに、ペースができてきます。
要介護者の生活と介護者家族の生活や休息が両立するプランを考えることは、つまり、共に生きていく道を探すことだと思います。消耗するだけではなく、豊かな気持ちが生まれたり残されたりたりする介護プランを工夫できればと思います。