今回は、病院や施設への支払い以外の、生活費用について考えてみます。
介護が必要だからこそ準備しておくものや、ダブルケアをこなすために使う、見えない費用もあるのです。
要介護者のためのもの
それぞれの生活スタイルはあるとしても、要介護者ならではの必要品で考えられるのは、やはり、療養に必要な品々です。寝具、衣服、靴、介護用品、オブラート、食器、ウェットティッシュ、栄養ゼリーやドリンクなど、実にさまざまな、工夫がなされたものがいります。
たとえば、歩行に安定性がないときの靴です。
再び、しっかりと歩けることを目指して、リハビリをすることも多いと思います。そのとき、転びにくく、むくみやすい足を守り、リハビリが進むように考えて作られた靴を選ぶことが、とても大切です。むくみと転びやすさは直結していると言っても過言ではありません。
また、硬いものが食べにくくなってくると、肉も野菜も摂りにくくなるので、栄養補給のためのドリンクや、ゼリー食などが助けとなります。嚥下がしにくく、飲み込むことが難しい場合は、食事や水分にとろみをつけるトロミ剤を使うこともあります。
さらに、多くの時間を過ごす部屋の環境を整えることも大事です。特に暖房は、エアコンだけでは空気が乾燥しすぎるので、加湿器を使ったり、電気ストーブを使ってみたり、湯たんぽを入れたり、いろいろなことをしています。
そのときの状態や、好みによって、我が家でもいろいろなものを試してきました。その中でも、「これはよい!」と思ったものは、だんだんに、一つ一つ紹介していきたいと思います。
人それぞれに、生活の感覚はちがいますし、食事の仕方も人によって大きく違いはありますが、必要を満たすためには、3万円から5万円はかかるのではないかと思います。
介護者家族のためのもの
さて、ダブルケアの場合は、子どもたちの生活に対しても、いろいろな工夫が必要になります。なかでも、いちばん待ったなしなのは、食事です。つきっきりの介護となると、食事の用意もままならないことがしょっちゅうです。
すると、いきおい、スーパーのお惣菜に頼ることもしばしばです。また、水筒を持っていきたいところがペットボトル になったりもします。
しかし、これらを介護費用としてあげるわけにはいきませんので、このように、目に見えない支出が増えることは、否めません。
こういう事情は、なかなか、わかってもらいにくいことかと思います。
周囲の人が理解してくださると嬉しいですね。
預かった金銭の出納は必ずつけておく
少し、話は変わりますが、お金のことを要介護者にいくらかでも託されたなら、必ず、預かり金額、支払い金額、日付、用途を書いておきましょう。誰に何を言われても、きちんと説明できるようにしておくことが、余計なもめ事を避ける秘訣だと思います。
💡役に立つかもメモ
介護を必要としている方のことを一生懸命に考えて作られた靴があります。
あゆみシューズをご存知でしょうか。
義祖母も、この靴にお世話になって、5年以上たちます。なんと、幅は、7Eというものまであり、外反母趾の義祖母にとっても、とても優しい靴です。
幅が広いだけではなく、しっかりと足を包みこんでくれ、転びにくいように設計されています。
毎日のように脱ぎ履きを手伝っていると、履く人のことを思い、心をこめて作られた靴であることが、とてもよく伝わってきます。
室内、外出用、リハビリ用など、用途によってもデザインが工夫されており、色も、オーソドックスな黒や茶ベージュから優しい色合いのピンクなども揃えられています。
なかなか足に合う靴がないとお探しの方に、
たいへんおすすめです。