ダブルケアデイズ

子育ての最中に、介護がやってきた!ひた走る日々。

ダブルケアの中の「だけ」の時間

 

介護をすることになったけれど、子どもたちのことも当然大切です。介護する人の生活はてんてこまいになりますが、その中で、どうにかして子どもたちとのコミュニケーションを守るためには、ほんのわずかでも一対一の時間をつくとよいのではないかと思っています。

 

 

ダブルケアの中で起こる葛藤

ダブルケアをしている状況で起こる葛藤は、子どもの親としての気持ちや役割と、介護をする中でやらねばならないこととのあいだで起こります。

この二つのことは、しばしば時間を分け合うことが難しいからです。

そして、どちらも、待った無しであることが、多いからです。

 

高齢になっても子どもにやきもちを焼くことがある

子どもと学校のことなど話していると、義母や義祖母がやきもちを焼いて、まったく関係のない自分の話をしてきたり、別室にいても呼んだりすることもありました。

どうやら、

「子どものことばかり考えないで、私のことも忘れないで、ちゃんとしてよ。」

と思うようなのです。

今、親子で話しているから待っておこうといった配慮を期待することは、とうていできませんでした。

また、そんなときは、子どもたちとの話が終わるまで待ってもらうことも、一緒に話に入ってもらうことも難しいのです。そんなときは、子どもたちとの話を中断して、いったん、対応せざるを得ず、子どもは、率直なところ悲しいのです。

 

子どももわかってはいるけれど

このようなことが続くのは、子どもの精神衛生上よくないのは明らかです。学校に行けば、友達は、親子で一緒に買い物に行ったり、旅行に行ったり、話をたっぷりしていたりする話を聞くこともあります。

スポーツや習い事に熱心に付き添う親御さんもいらっしゃいます。

子どもですから、気軽に、親と外食することも、遊びに出かけることも、普段のちょっとした話や、ときには、進路にかかわる話をすることさえ、すべて介護の都合に左右される生活を、ときには、悲しく思うことがあっても無理はありません。

もちろん、子どももわかっています。

おばあちゃんやひいおばあちゃんは一人で暮らせない状態にあり、助けなければいけないこと、大事にしなければいけないことを。

でも、やはり、大事な話まで後回しにしなくてはならないことが日常となると、悲しい気持ちは禁じえないのが、自然な心の動きでしょう。

 親は、それがわかっていても、子育てのほかに、介護、家事、仕事もこなす毎日で、なかなか子どもとのじっくりとした時間を確保することは困難です。

 親としては、

「あなたのことを二の次、三の次に考えているのではないよ。大事だよ。」

ということをなんとか伝えておかねばならないと思いました。

とはいうものの、介護では、つきっきりの時間が長く、食事の用意さえ、なかなかできない状況でどうするか‥‥‥。

 

僅かな時間でも子どもと一対一の時間をなんとかつくる

そこで、私は、子どもが出かけるときに、玄関まで送るということを続けました。

これは、地域の小学校でも推奨されていましたが、私も、ずっと心がけてはいました。

平時なら、実行しやすいことです。でも、介護が始まると、時間的にも精神的にも厳しく、余裕がないことが多くなり、つい、省きがちになりそうな時間です。

介護が始まると、子どもが出かける時刻とケアの時間が重なることも多くあります。それでも、ケアの手を止めて、玄関まで行きました。

その時間だけは、子どもを最優先にしました。

3人それぞれに。

子どもがくつを履いて、玄関を出るときに、一言、「気をつけてね」と声をかけるのです。

それは、ほんの2、3分のことですが、それぞれの子どもとの一対一の時間です。

その子のためだけに作る時間です。

だから、あなたのことをとても大事に思っているということが、子どもたちに伝わりやすいと思うのです。

服装を確認し、その子の今日一日を想像します。すると、すんでのところで忘れ物を思い出したりすることもあります。

この、わずかな時間が、子どもにとって大切だということを教えてくれたのは、長男でした。

まだ、介護が始まるずっと前に、家事の手を止めて玄関まで送りに出る私に、

「ママは、どんなに忙しくても送ってくれるんだよねー」

と、嬉しそうに言ったのです。

私は、そんなにも子どもが嬉しく思ってくれていることに驚きました。

それ以来、いっそう心をこめて、よほどのことがない限り玄関まで送ります。

そして、介護が始まって、忙しさが尋常ではなくなったときにも、この時間だけは守ろうと決めたのでした。

 

中学生、高校生になっても

中学生、高校生になっても、子どもたちは、いろいろなできごとに遭遇し、進路を考えたり、うまくいかない現実を味わったりもします。

友達関係で悩むこともあります。

そのとき、自分のことを祈ってくれている人がいるということを、純粋に信じられるということは、大きな心の支えになるのではないかと思います。

また、親が細々言わなくても、よい道を探しあてていく力になるのではないかと思います。

今、子どもたちは、いちばん下が高校生となり、もう、子どもと言える年齢でもなくなりました。

でも、いまだに、この習慣は、続けています。

「気をつけてね。」

と声をかけ、

「今日一日が、よいものでありますように。無事に帰ってくるんだよ。」

と、口には出しませんが、祈りながら見送ります。

たくさんのことを受け入れてきた子たちに、

「あなたは、かけがえのない存在だよ。」

と伝え続けることで、介護の経験が今後の子どもたちの人生にもプラスになることを祈りたいと思います。

 

 

 💡役に立つかもメモ

 

湯たんぽの力

 

急に寒くなってきました。

 

介護を必要としている方は、

一時的であれ、歩くことが少なくなることが多いと思います。

すると、足の筋肉が落ちます。

特に、ふくらはぎの筋肉が落ちると、足がむくみがちになります。

主治医によると、それは、ふくらはぎの筋肉が落ちると、末端の血液を心臓部に戻すポンプの機能も落ちるからだそうです。

 

デイケア、デイサービスなどの外出先では、

できるだけ立つ動作をしたり、座っていたりするほうが、リハビリになります。

しかし、足が下になるので、ぷくぷくに、

むくんでしまったりもするのです。

 

対処法としては、

足のマッサージをしたり、足を動かす体操を手伝ったりするのですが、なかなか効果は上がりません。

 

そんなとき、

湯たんぽは、身体全体の循環をよくすると知り、自分も使ってみて、早速試しました。

 

効果は、絶大でした。

昨日まで、ぱんぱんになっていた義祖母の足が、朝にはすっかり元どおりになっていました。

主治医も、

「いいと思いますよ」

と言ってくださったので、

それ以来、寒くなると使っています。

 

それに、想像以上に温かくて驚きました。

私は、おまけでいただいた、手のひらよりすこし大きいくらいのサイズのものを試したのですが、

お布団はぬくぬく、汗をかいてしまいました。

個人差はあると思いますが、私は、寝起きもよくて、体のだるさがかなり軽減されました。

お布団も軽いものにできますし。

 

この湯たんぽの力を知ってから、義祖母の足のむくみ問題は、すっかり解決しました。 

 

とはいえ、いろいろと、ご病気の状態によって、効果は、違うと思いますので、使用については、主治医に相談してみてくださいね。

 

 

 

 

 

  

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