ダブルケアデイズ

子育ての最中に、介護がやってきた!ひた走る日々。

介護と子育て、1日1日をつないできたら

先日、息子の通う学校に行く用事がありました。

そこは、私がかつて通った学校と同じ沿線にあり、その日も、当時、毎日乗った電車で行きました。

それは、30年近い歳月の流れをひしひしと感じるひとときでもありました。

学校に通っていたころは、もちろん、ダブルケアを経験するなどとは思ってもみません。自分という人間を見つめ、これからどう生きて行くかということばかり考えていました。

 

 

介護と子育てと

その後、時を経て結婚し、まだ子育てに必死のころにダブルケアが始まります。

学齢期真っ只中の子ども3人と、ひとときも目が離せない介護。はじめの2年は特に、今日のことをこなすだけで精いっぱいで、大まかなケアプランと子どもの教育のこと以外、明日のことまで考えられませんでした。

以来在宅介護を始めて9年めにして、かつての通学電車の車窓を、身体はかなり、心は多少、厚みを増した私が眺めていることに、人生の奥深さを感じざるを得ませんでした。

まさに、今、子どもたちが、かつての私と同じ時期にいるわけです。

これから、どのような人生を選び歩んでいくでしょうか。

 

介護が始まるころ

ダブルケアが始まるころは、子どもがまだ、自立からはほど遠い年齢です。

そしてまた、在宅介護においても、介護度が低く、あまり介護保険の助けを借りることができないわりには、症状は目が離せない時期であることが多いと思います。

立って歩くことができれば、要介護度は、1や2となりますが、認知症が伴うと、ときには道に迷ったり、火の始末ができなかったりと、安全を確保するためには、つきっきりでいることが余儀なくされることがしばしばだと思います。

ケアする側は、工夫した食事を子どもと一緒に食べることも難しくなり、睡眠不足でふらふらになることもあります。さらに、介護を受けている方からの要求が、病気ゆえとはいえ、非常に厳しく、非情に感じられることもあるでしょう。

子どもの親としての役目を何よりもいちばんに果たしたいけれど、それができないもどかしさに押しつぶされそうになりながら、介護をしている中で起こる、待った無しのできごとに対応していくことは、やはり、過酷と言っても過言ではないと思います。

しかし、当然と言えば当然ですが、介護のペースやコツがつかめてくる一方で、介護度も上がってくると、介護保険の助けもより多く使えるようになり、子どもたちも成長してあまり手がかからなくなってきます。

我が家の8年間を振り返ってみても、やはり、ダブルケアが始まったころが、最もたいへんでした。

初めて、義母の要介護度1のケアプランを見たときは、使える単位のあまりの少なさに、事の厳しさを思い知らされ、とまどいました。

20分と目が離せない状態なのに、ヘルパーさんを頼めるのは、週に3回、1回1時間半ほどだったのです。あとは、看護師さんが週1回から3回来てくださいました。

ただ、我が家の場合、特定疾患の適用があったので、介護保険外で看護師さんに来ていただくことができていました。しかし、通常は、在宅医療の訪問看護も介護保険の対象となるため、これを考えると、本来は、ヘルパーさんに来ていただくための介護保険の単位は、もっと少なかったのです。

 

一日一日をつないでいくうちに

一日一日をなんとか繋ぐ日々。

初めての手続き、

初めて起こること、

予想外の出来事、

予想外の言葉の連続です。

その中に、思いがけないうれしいできごとがあったり、憤懣やるかたない思いがあったりして今日に至ります。

大きな声で泣きたいときには、枕にバスタオルを巻いて顔をうずめ、思いっきり泣きましょう。枕が声をどんと受け止めてくれて、周囲をびっくりさせずに泣けます。

 

その日その日をとにかく繋いでいるうちに、8年が過ぎ、子どもたちも成長しました。

たくさんできなかったことがあります。でも、得難い経験も、思いがけないプレゼントのようなできごともありました。

これから先の子どもたちの人生で、今までの、そして今からの経験が幸せを紡ぐ力になってくれることを願うばかりです。

 

誠実に繋いだ日々の先に、よいことが待っているのは、やはり、世の常であってほしいと思うこのごろです。

 

 

 💡役に立つかもメモ

 

コーヒーかすを調理器具や食器洗いに使う

 

息つく間もないダブルケアの日々の中、

コーヒーメーカーで立てるレギュラーコーヒーは、

気分をリセットするのに、

私には、なくてはならないものと言っても過言ではありません。

最近は、子どもたちもコーヒーを嗜むようになり、

家族全員が揃うときなど、コーヒーのカスがたくさん出ます。

このカスは、防臭効果があり、下駄箱に入れたらいいとか、肥料になるとかいうことは、知っていたんです。

しかし、乾燥させる手間がいります。

 

それで、あるとき、カレーのついた鍋に、

しめったままのコーヒーかすを入れて、

シリコンのヘラでこすったら、

それはそれはきれいに汚れが取れました。

コーヒーカスは、ゴミ袋か三角コーナーに

そのまま捨てて、あとは、

鍋を洗い流すだけ。洗剤いらずです。

 

鉄のフライパンなどは、

ある程度の油分を残して洗うほうが、

よかったりしますが、

これも、ほどよく洗いあがります。

 

コーヒーカスは、細かい粉状なので、

ゴミ袋からこぼれたり、鍋に残ったカスを流したりすると、

排水口の網にたまることもあります。

この始末がめんどうな方もあるかもしれませんが、

調理器具も、べっとり油がついたお皿も、

さっぱり洗えますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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